匠の技術を贅沢に生かし、手間を尽くした「地味」に心を感じる

overview

江戸っ子のおしゃれは“いっけん地味”。遠目には無地とみえる、地味な着物。だが手に取れば、一面に信じられないほど細かな紋様が配されていて、その技のきわみに驚嘆する。これを染めるには型彫り、染めともに驚くほどの手間がかかり、その贅沢さは想像を絶する。また、地味な着物の裏や襦袢に、はっとするほど鮮やかな色を使う。こうした“いっけん地味”な見た目だが、細部や裏側に惜しみなく贅沢さを放った着こなしこそ、粋な着こなしとされていました。「木舞 konomai」ではドレスのような、さまざまな曲率が融合した形を生み出すべく、球体組子の技術をさらに発展させた技術を贅沢に生かし、手間を惜しまずに作られた作品です。光を灯すまで“いっけん地味”な様子が、光を灯した瞬間、あっと驚くべきほどの存在感を放ちます。近づくと、細部の贅沢さに圧倒される作品です。

technology background

「木舞 konomai」はファッション・建築・プロダクトの3つの境界をまたぐような作品です。型から服を大量生産する従来の方法とは反対に、人それぞれ特有の形をもつ身体のラインに沿って、1パーツ 1 パーツずつ組み上げていく手法でドレスをつくり、ファッションの在り方に問いを生みます。そして、木を組むだけで自立する姿は構造体としての美しさを表現。建築としての可能性を想起させます。用途の決められたプロダクトではなく、正解のないモノにすることで、作品を見る人によって異なる感性が引き出され、異なる問いが生まれ、モノや人との対話が生まれることを期待します。

  • PROJECTNAME:「贅の極みを尽くした地味」を組む |小木華 kohana
  • SIZE:650*650*1300
  • MATERIAL:Japanese cypress

木舞の写真

木舞の写真02

木舞の写真03

木舞の写真05

木舞の写真06

木舞の写真07

木舞の写真08

木舞の写真09

木舞の写真10

木舞の写真11